第107章

女二人の力じゃ、どう足掻いたって大の男たちの群れに勝てるはずがない。

星野芽衣は素早く顔を上げ、周囲の地形を一瞥した。視線が、脇に伸びる無人の細い抜け道へと吸い寄せられる。

その道は校外の大通りへ直通している。人通りも車も多い。逃げるなら、これ以上ないルート。

ただ――その抜け道に入るまでが厄介だった。田中祐衣を連れて走れば、間に合わない。

自分一人なら、すっと消えられる。揉め事も背負わずに済む。

足を速めさえすれば、あいつらが追いつけるはずもない。

けれど、震えが止まらない田中祐衣を見て、星野芽衣の指先がふっと止まった。

自分がいなくなれば、田中祐衣がどうなるか――想像するま...

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