第127章

温かな腕の中。ずしりと重いほどの深い愛情。それは、彼女がこの人生で一度も手にしたことのない「ぬくもり」だった。

胸が揺れたのはほんの一瞬。

星野芽衣は竹村茜のことを思い出し、はっと我に返る。すぐさま母の手を掴み、瞳に焦りを滲ませた。

「お父さん、お母さん……お願いがあるの。私のいちばん大切な親友が、悪意で陥れられて……冤罪で捕まってる。もうすぐ有罪にされる。お願い、助けて。茜を救って」

娘の切迫と無力を見て、夫婦は一切迷わなかった。即座にうなずく。

「大したことじゃないわ」

父は私用の携帯を取り出し、専用回線へと電話を入れた。

「竹村茜に対する立件と全ての容疑を、直ちに取り下げ...

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