第14章 彼女だ

写真は盗み撮りだった。写っているのは、青いワンピースを纏った細いシルエットがスーパーカーに横向きにもたれている姿だけ。横顔のラインはきりっと冴えて目を奪うのに、肝心の顔立ちはぼんやり滲んで判然としない。

西田圭介たちが興味津々で覗き込み、誰かが吹き出した。

「奏太、お前これ、ブレすぎ。さすがに分かんねえよ」

西田圭介もうんうんとうなずき、真剣に二、三度見直してから首をかしげる。

「ボケてんのはボケてんだけどさ……美人なのは伝わるな。なんか見覚えある気もするし」

「海野さん、見る目あるねえ」

皆が海野奏太の『好きな相手』の美貌を口々に認めるのを聞き、中山美穂は膝の上の手をぎゅっと握...

ログインして続きを読む