第40章 俺にまとわりつく

芽衣の眉間がさらにきつく寄る。さっきまで掠れた寝言だったものが、次第に声を帯び、泣き声まじりの響きに絶望が滲んだ。両手は宙をあわただしくさまよい、まるで最後の命綱にでも縋りつこうとしているみたいに。

次の瞬間、彼女はぱっと腕を上げ、空を数度掴むように指を伸ばしたかと思うと――髙野拓海の体側に垂れていた手首を、ぎゅっと握りしめた。

指先は氷みたいに冷たい。なのに力だけは、信じられないほど強い。

「行かないで……おばあちゃん、行かないで……」

「触らないで……お願い……」

髙野拓海は全身がびくりと固まった。手首越しに伝わる震えが生々しくて、胸の奥が訳もなくきゅう、と痛む。

しばらく沈...

ログインして続きを読む