第64章

下野千秋は行ったり来たりと何歩も歩き回り、胸の内が不安でいっぱいだった。

こんな深夜に外にいるのは危ない。かといって、ここでいつまでも突っ立って待つわけにもいかない。

頭の中でしばらく葛藤した末、ふと一つの考えが浮かぶ。

ここで無駄に時間を潰して危ない目に遭うくらいなら、高野拓海に頼んで車を回させたほうがいい。

どうせあいつはクズ男だ。中で浮気相手と楽しくやってるんだろうし、少しくらい働かせてやればいい。

それに、高野爺さんだって「困ったら遠慮なく頼れ」と言っていた。使えるものは使わないと損だ。

腹を決めると、下野千秋はさりげなく少し横へずれ、俯いてスマホを取り出した。LIMEを...

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