第68章 出て行ってください

一方その頃。髙野拓海は寮の玄関を大股で抜け、歩幅の一つひとつに、拭いきれない殺気をまとわせていた。

すれ違う生徒たちは反射的に道を空け、息を呑んで視線を伏せる。

内田文也はその背中を追いながら、胃の奥がひやりと冷えるのを感じた。怖い。だが立ち止まるわけにもいかない。意を決して足を速める。

マイバッハに乗り込んだ瞬間、車内の空気はさらに重くなった。圧が、肌にまとわりつく。息をするだけで苦しいほどだ。

内田文也は何度も言葉を選び、ようやく慎重に口を開いた。

「髙野社長……本当に、このままお帰りになるおつもりですか? 永瀬家は影響力があります。保護者たちも集団で騒いでいますし、社長が出て...

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