第83章 有名人

彼らはもう、さっきまでのへりくだった態度など欠片も残していなかった。目にあるのは「騙された」という怒りだけ。まるで別人のような変わりようだった。

林谷由佳は完全に呆然とし、次の瞬間、その露骨な打算に全身がわなわな震えた。

こんな屈辱、受けたことがない。

つい一秒前まで媚びへつらっていた連中が、用が済まなかった途端に顔色を変え、贈り物まで返せと言い出すなんて――。

「あなたたち……!」

怒りで顔色は真っ青。それでも、言い返す言葉が出てこない。

永瀬夫婦は使用人に命じて贈り物を数えさせ、持ち込んだ品をすべて車へ積み戻すと、そのまま走り去った。

その場に残されたのは、林谷由佳ひとり。...

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