第107章 裏の顔

相馬寧は窓辺にもたれかかるようにして、外の夜景を眺めていた。顔色は冴えない。

頭の中を占めているのは、古沢信弘のことばかり。

最初は、あの男の気まぐれだと思っていた。少し経てば勝手に飽きて、手を引くはずだ、と。

――ところが、もう二か月。

古沢信弘は相変わらず、彼女に執着するみたいに熱を失っていない。

このままじゃ、いつか自分のほうが折れてしまう。流されて、本当に彼と付き合ってしまう日が来るかもしれない。

でも、そんなの――彼を不幸にするだけだ。

守屋家との腐った因縁は、そう簡単に清算できない。守屋蒼河だって、きっと彼女を見逃さない。

それに、古沢信弘を信じていいのかも、相馬...

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