第111章 女の子を追いかける正しいやり方

「暇だったの?」

 相馬寧は、もちろん信じなかった。

 昨夜、彼女が眠りに落ちたあとも、向かいの書斎の灯りはまだ点いたままだった。いつ消えたのかもわからない。

 彼は毎日忙しい。会社にいるときもそうだし、退勤してからだって同じ。

 それなのに昨日は自分を助けてくれて、今日は警察署まで一緒に行って調書を取るのに付き合ってくれるという。

 相馬寧はふと、以前ネットで見かけた言葉を思い出した。

 貧しい人間の金、裕福な人間の時間――それを差し出してくれるのが愛だ、と。

 どちらも、当人たちにとっていちばん足りないものだから。

 今の相馬寧には、その言葉が前とは違って刺さった。

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