第115章 本当にそんなに薄情なのか?

「もちろん」

相馬寧は守屋蒼河の手をほどくと、脇に置いてあったウェットティッシュで指先を二、三度ぬぐい、そのままゴミ箱へ放り込んだ。

身体を背もたれに預け、腕を組む。目の温度だけが、すっと落ちる。

「あなたのために口添えしてあげてもいい。でも、その前にお金を返して」

「……金? 何の金だよ」守屋蒼河が反射的に言い返す。「俺、君に借りなんてないだろ?」

「借りがない?」相馬寧は可笑しそうに笑った。「へえ。つまり守屋家は踏み倒すつもりってこと?」

言い返しかけた守屋蒼河が、ふいに言葉を失う。目が見開かれ、顔色が変わった。

「思い出した?」

相馬寧は冷たく口角を上げる。

「あなた...

ログインして続きを読む