第12章 私の心血を無駄にするな

「ぺっ!」

 相馬寧は躊躇なく守屋蒼河に唾を吐きかけた。

「ほんと、気持ち悪い」

 勢いよくドアを閉める。あの吐き気を催す顔を扉の向こうへ閉め出して、ようやくひと息つけた。

 あらためてスマホを開き、彼との位置情報共有を即座に解除する。

 数分後、相馬寧は顔をひと撫でして気持ちを切り替えた。

 もう、終わったことだ。過去も、人も。

 これから自分を待っているのは、もっと明るい未来。古沢グループに入ることさえできれば、もう何も恐れる必要はない。

 守屋蒼河のことだって同じだ。

 今後いっさい自分と関わらないなら、何をしようが勝手にすればいい。

 ――ところが翌朝。

 起き...

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