第124章 今日から、ここは相馬の名を冠する

案の定、わずか三十分で守屋政安が姿を現した。

道中の埃をそのまま連れてきたような慌ただしさで玄関をくぐったが、顔に不満の色は一切ない。あるのは、古沢信弘に向けた心底からの敬意だけだった。

「古沢社長、ご挨拶が遅れました」

守屋政安が慌てて頭を下げる。

相馬寧は、思わず彼をじっと見てしまった。

一か月前の自分が想像できただろうか。あれほど堅物で、いつも厳格だった中年の男が――自分より二十以上も年下の若い男の前で、こうして腰を低くしている姿を。

なんという皮肉だろう。

「古沢社長のお考えは、こちらも把握しております」

守屋政安はため息をつき、言葉を続けた。

「守屋グループは経営...

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