第132章 M国

二人が飛行機を降りたのは、午前3時。夜明けまで、あと2時間ほどだった。

そのまま近くのホテルを取り、部屋に入る。互いに余計なことは言わず、夜は静かに過ぎた。

翌朝。

相馬寧が目を覚ましたときには、もう9時を回っていた。

――よかった。約束は10時30分。まだ間に合う。

今日はやることが山ほどある。

まずは翡翠鑑定の大家、岩崎海弘に会う。それから採掘現場へ直行し、石を選ぶ。

こういう勝負は早い者勝ちだ。出遅れれば、いい原石は根こそぎ持っていかれる。

車の中で、古沢信弘がふと尋ねた。

「掘り出した翡翠、売り先は考えてるのか?」

相馬寧は首を横に振る。

「そこまではまだ。まず...

ログインして続きを読む