第133章 挑発

相馬寧は、まさか自分が着いたその足で、この土地の『大物』にぶつかるなんて思ってもみなかった。

しかも、どう見ても向こうは友好的な空気じゃない。たった一目で、背筋がひやりとする。

古沢信弘が彼女の前に立ち、男の視線を遮ってくれたおかげで、ようやく息ができた。

――ほんと、情けない。

相馬寧は胸の内で小さく悪態をつく。

大物に会ったくらいで、何を怯える必要がある。

この辺で翡翠の商いをしている連中は、年がら年中、海外の連中と渡り合っている。普通の人間と雰囲気が違って当たり前だ。

ここで尻込みするようなら、この商談自体、続ける意味がない。

「気をつけろ」

古沢信弘がふいに振り返り...

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