第30章 初めての親密な接触

相馬寧はほどなくして、どうやらこれは会社へ戻る道ではないらしいと気づいた。

「古沢社長、どちらへ向かってるんですか?」

「ショッピングモールだ」

「ショッピングモール?」相馬寧はきょとんと目を瞬かせた。「そこへ行って、何をするんです?」

「服を買う」

古沢信弘は彼女を上から下までひととおり眺め、それから淡々と言った。

「今の君の服じゃ格が足りない。これから先、俺と一緒にいろんな場へ出ることになる。もう少しちゃんとしたものを着ろ」

相馬寧は思わず、自分のスーツへ視線を落とした。みるみるうちに頬が熱くなる。

今日は初出勤だからと、クローゼットの奥からいちばん高かった一着をわざわざ...

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