第34章 俺を起こせ

「ほら、これ持ってって」

 星野伊希は相馬寧のスーツケースをぱかっと開けると、小箱をそのまま押し込もうとした。

 相馬寧は慌ててその手を押さえる。

「それ、何が入ってるの?」

 すると星野伊希は、にやにやと意味ありげに眉を動かした。

「何って、決まってるでしょ。あんたたちに必要なものよ」

「必要なもの?」

 相馬寧が首をかしげているうちに、星野伊希は手際よく箱を中へ突っ込み、さっとファスナーを閉める。そしてぽん、とスーツケースを叩いた。

「はい、おしまい。じゃ、いってらっしゃい」

 そのまま容赦なくドアを閉め、相馬寧を外へ追い出してしまう。

 相馬寧は結局、好奇心を抑えき...

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