第58章 彼女に会う資格はない

そう考えると、守屋蒼河の胸は少しだけ軽くなった。

もう仕事どころではない。手にした書類をぎゅっと握りしめると、そのまま車に乗って会社を飛び出す。

相馬寧に直接問いたださなければ気が済まなかった。

どうして自分を、こんなふうにはめたのか。

なぜだ――。

    ……

その頃、相馬寧は会社にいた。

終業時刻が来るのを、ただ静かに待っている。

明日の朝になれば、離婚の約束の日だ。彼女は守屋蒼河のもとへ行き、正式に離婚の話をつけるつもりでいた。

もちろん、相馬寧も何の備えもしていないわけではない。

守屋蒼河の性格くらい、彼女にはよくわかっていた。あの男が素直に、何事もなく離婚に応...

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