第11章

藤堂心乃の絶望に満ちた眼差しが私の前で揺らめき、その呪いの言葉が和室に響き渡る。

「あんたたち、みんな異常な殺人鬼よ! いつか絶対に捕まるんだから!」

母の鈴木美雪は眉をひそめ、その下品な物言いに不快感を覚えたようだった。

彼女はそっと私の肩を叩いた。

私が俯くと、視界の端で兄さん、鈴木隆が冷静に藤堂心乃の両脚を品定めしているのが見えた。まるで狩人が獲物の価値を見極めているかのような、その眼差し。私にはあの目が何を意味するのか分かっていた——彼は藤堂心乃を『犬』に改造するつもりなのだ。それは『正義の味方』という組織における、特殊な処罰方法の一つだった。

藤堂心乃も何かを感...

ログインして続きを読む