第157章*

アンジェリーナ視点

「アリア、いったい何を……」

答えなかった。ただ歩き続ける。視線は、少し先を行くサフランの一団を追っていた。

彼女たちは食堂へ上がる階段に差しかかろうとしていた。打ちっぱなしのコンクリート。段は全部で六つ。

先頭はサフランだ。相変わらずヴァネッサに何かをまくし立てている。両手を大げさに振り回しながら。

距離を測る。およそ九メートル。遮るものはない。狙いは通る。

サフランの歩く速さを加味する。階段との位置関係も。

それから、手首をひとつ弾いた。

石が指先を離れる。速すぎて、ほとんど目に映らない。夕暮れの空気を切り裂く一瞬の残像。

かすかな風切り音は、施設全体...

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