チャプター 25 *

カイ視点

真っ黒なままのモニターを見つめ、顎に力が入った。映像が途切れる直前、目に焼きついたのは、リーパーズ・カーブを余裕のリードで回り込んで消えていくタイラーのポルシェだった。日産の姿はどこにもなかった。

タイラーの勝ちはもう決まり。そりゃそうだ。

「はい、これでゲームセットだな」オリオンが言い、もうスマホを取り出していた。「あの子じゃ最初から勝ち目ないって」

周囲の熱気はみるみるしぼんでいく。人々は荷物をまとめはじめ、スマホをポケットに突っ込み、空のビール缶をゴミ箱へ放り投げた。

「こんなの時間の無駄よ」近くの女が友だちに向かって大声で愚痴った。「タイラーのレースを見に来たのに...

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