第十三章 晨光の中の手

扉が開いた。

惟道が先に入り、澄乃がその後に続いた。

惟道の視線が食卓を一巡した。

詩緒の前の丁寧な和食。一葉の前のトーストと牛乳。苔野ハナが隅で固まっている背中。

視線はゆっくりと動き、一葉の顔の上で一秒止まった。それから彼は何も言わず、椅子を引いて腰を下ろした。

澄乃が入り口で足を止めた。

一葉が言ったあの言葉——「習慣じゃなくて、選択肢がなかっただけ」——がまだ空気の中に残っているようだった。澄乃の喉がかすかに動き、口を開きかけ、また閉じた。

惟道が口を開いた。声は低く、静かで、誰かを責めているわけでもなかった。

「苔野ハナ。」

「はい。」

「一葉に今朝何が食べたいか...

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