第十八章 役に立つ人間

玄関のドアが開いた。

一葉は室内スリッパに履き替えた。廊下の突き当たりにある食堂の明かりが灯っていて、食器の触れ合う音と低い話し声が漏れてきた。

中に入ると、惟道と澄乃がいた。澄乃が惟道に料理を取り分けながら、何か日常的な話をしていた。

足音を聞いて澄乃が顔を上げ、一葉に視線を向けた。一瞬止まってから、傍らの一葉側の椅子をそっと外へ引いた。特に意識したわけではなく、ただ自然に。まるでずっとその席に誰かが座ることに慣れているかのように。

詩緒が向かいに座っていた。スプーンを椀の縁に置いて顔を上げ、いつもの淡い微笑みを浮かべた。「お姉様、お帰りなさい。」

一葉は軽く応じて自分の席に座った...

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