第二十章 側廊の盤面

側廊は細長い通路で、灯りは競売場の半分ほどしかなく、空気にはかすかな木材の匂いが漂っていた。足音は床に吸い込まれ、ほとんど響かない。

詩緒は三番目の扉の前で足を止めた。

扉は薄く開いており、中から低い話し声が聞こえた。二度軽くノックすると、声が止まり、しばらくして誰かが扉を開けた。

売り手の代理人は五十代の男で、スーツはきっちりと着込まれ、目には場慣れした老練な光があった。彼は詩緒をひと目見てから、すぐには口を開かず、彼女が先に話すのを待った。

「七番の品に興味があります」と詩緒は落ち着いた声で言った。余分な言葉は何もなかった。「取り下げになりましたが、品物はまだお手元にあるはずです。...

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