第三十七章 桐葉亭

一葉は足を止めなかった。振り返りもせず、ただ一言だけ答えた。

「ええ。」

暁弦は彼女の横顔を一瞥したが、それ以上は追わなかった。ただ心の中に、その事実をそっとしまい込んだ——医学、古典籍の修復、ハープ。彼女が何かを見せるたびに、一枚のピースが静かに所定の位置へと収まっていく。だが、そのパズルの輪郭がどこまで広がっているのか、まだ見えない。

面白いと思った。「好奇心」という軽い意味ではなく、もっと実のある感覚だ——まだ完全には開かれていない扉の前に立って、中に何かあることはわかっている、でもどれほどあるのかはわからない。そしてようやく見えてきたと思うたびに、また新しい灯りが灯る。

二人は...

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