第四十八章 応えて当然

軽井沢から東京へ戻る道中、夜の帳はすでに降りていた。

高速道路の両脇に連なる山の影が、車窓の外をゆっくりと流れていく。街灯の光が一つ、また一つと車内を照らしては過ぎ去り、守人は運転席で視線を前方に固定したまま、口を開かなかった。

後部座席では、珠恵が背もたれに身を預け、手を胸に当てていた。顔色は蝋のように黄ばみ、額には細かな汗が滲んでいる。目を閉じたまま、呼吸は普段より浅く速く、まるで何かが胸腔に圧しかかって、散らせずにいるようだった。

梨花は隣に座ってスマートフォンを見ていたが、しばらくして母親の異変に気づき、眉をひそめた。バッグの中から小さな磁器の瓶を取り出す。瓶身は白く、ラベルは何...

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