第六十三章 沈黙の反撃

会議室の沈黙は、およそ十秒間続いた。

村上はゆっくりと茶を一口すすり、余裕の笑みを口元に浮かべたまま、憐れむような口調で言った。「条文はよく知っているようだね。でも一つ、見落としていることがあるんじゃないかな——公益通報者保護法が守るのは『内部の従業員』だ。君は今のところ正式な雇用契約すら結んでいない。その傘は……君には届かないよ。」

桑本が声を潜めながら、あえて全員に聞こえるように言った。「そもそも研修生が無断で録音すること自体、社内規定違反ですよ。そんな証拠を持ち出したところで、まず疑われるのは彼女自身だ。」赤坂が続けた。「それに、あなたが閲覧した契約書は、特定の権限がなければアクセス...

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