第八十八章 授賞式

水無瀬家のリビングは、朝の光の中でひときわ広く感じられた。

詩緒は姿見の前に立ち、最後にもう一度、自分の装いを確かめた。シャンパンゴールドのトレーンドレスはウエストでぴたりと絞られ、裾が落ちるときに、意識して作り出す必要のない優雅さがあった。首元、耳元、手首に揺れる宝飾品は澄乃の古い蔵のものだ。昨夜、ひとつひとつ選び抜いた——どれも由来があり、どれも申し分なかった。鏡の中の自分は、自分が想像しうる最高の姿だった。

今日は第十一回全日本伝統楽器オリジナル楽曲大賞の授賞式。ハープ部門、金賞。自分の名前。

心の中でその言葉をもう一度繰り返し、あの期待が本物であること、自分にふさわしいものである...

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