第7章

和泉神社の周辺は、早くも喧騒に包まれていた。

椿川開発のスタッフたちが慌ただしく動き回り、いくつもの測量機器を設置していく。数人の作業員が巨大な看板を立てている最中で、そこには『未来いずみリゾート』というけばけばしい文字と、豪華絢爛なリゾート施設の完成イメージパースが印刷されていた。

「すみません、通してください。これから地形測量を行いますので」

ヘルメットを被った技術者の一人が、遠巻きに見ていた村の人たちに事務的な口調で告げた。

千夏は神社の屋根にちょこんとしゃがみこみ、目を細めて眼下の光景を見下ろしていた。彼女の指先に淡い霊力が灯り、それがすっと振り払われる。

「お...

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