第14章

病院の廊下。相沢千尋はふらつく足取りでよろめき、あわや床に倒れ込みそうになった。

その時、不意に人影が駆け寄り、彼女の身体をぐっと支えた。

「大丈夫ですか?」

耳に届いたのは、春の風のように穏やかで心地のいい声だった。

「平気よ」

千尋はその手を振り払い、荒い息を吐きながら再び歩き出そうとする。

だが背後から、慌ただしい足音が追いかけてきた。

「危険な状態です。すぐに薬を飲まないと! このままだと胃洗浄になりますよ」

言うが早いか、男は有無を言わさず彼女の腕を引き、ずんずんと前へ歩き出した。

千尋はたたらを踏み、またしても転びそうになる。

新谷修はそこでようやく足を止め、...

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