第20章

私立病院。

病室のベッドには、全身に管を繋がれ、目を固く閉じた青白い顔の男が横たわっていた。

モニターに映し出される微弱な波形がなければ、すでに息絶えていると誰もが思うだろう。

一ノ瀬律はベッドの傍らに立ち、陰惨な眼差しを男に向けていた。その瞳は陽の光を一切通さない暗幕のように黒く沈み、全身から放たれる重苦しい威圧感のせいで、誰も不用意に近づくことができない。

傍らに控える助手は冷や汗を流し、律の背後で息を潜めていた。

長年彼に仕えてきたからこそ、今の彼がどれほど激しい怒りを抱えているかが痛いほど分かる。

この男は一体何者なのか。普段は決して感情を表に出さない一ノ瀬律を、ここまで...

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