第23章

「危ない!」

相沢千尋は喉元まで心臓がせり上がるのを感じながら、悲鳴を上げた。

無意識のうちに駆け出し、一ノ瀬律を庇おうとした。

その声に反応した一ノ瀬律は、素早く身を翻し、背後から襲いかかってきた者の姿を捉えた。

反撃に出ようとしたその瞬間、耳元に相沢エリカの声が響いた。

「律……」

次の瞬間、彼はそのまま身をひるがえし、相沢エリカをしっかりと腕の中に抱き込んだのだ。

鈍い音を立てて、鉄パイプが彼の背中に激突した。

それでも彼の身体は微動だにせず、うめき声ひとつ漏らさなかった。

相沢千尋の耳の奥で激しい耳鳴りが響く。彼女はその場に立ち尽くし、頭の中が真っ白になっていた。

...

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