第31章

闇に包まれたハイウェイを、純白のセダンが疾走していく。

相沢千尋は冷静にハンドルを握り、一ノ瀬律の助手から送られてきた住所へと向かっていた。

一ノ瀬律がこんなことをする目的は何なのか、彼女も疑わなかったわけではない。

彼の前で涙に暮れる相沢エリカの姿と、それを痛ましげに見つめる彼の表情を思い出し、千尋は思わず自嘲気味に笑みをこぼした。

彼が何を企み、どう考えていようと、結局のところ相沢エリカの手を汚させるような真似はしなかったのだ。

彼女はいつだって、彼の心に住む汚れなき月なのだ。ほんのわずかな闇すら、彼女には触れさせたくないのだろう。

そう思うと、千尋の口元に少し陰りのある笑み...

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