第44章

夜の帳が次第に下りていく。

橘柊一から渡された車のナンバーを見て、一ノ瀬律の口元の笑みがわずかに引きつった。

信じられないといった様子でそのメモをひったくると、彼の脳裏を瞬時にいくつもの考えが駆け巡る。

記憶が正しければ、このナンバーは相沢千尋のもののはずだ。

以前、相沢千尋が頻繁に会社へ押しかけてきてうんざりしていた彼は、下でこの車を見かけたら不在だと伝えるよう、助手に命じていたのだ。

だからこそ、このナンバーにはとりわけ見覚えがあった。

「運転していたのは、間違いなく女だったんだな?」

表面上は平静を装いながらも、律は思わず探りを入れていた。

橘柊一は、相沢千尋が見せた見...

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