第46章

華やかで、どこか冷ややかな空気が漂うホール。二人の男女が向かい合って立っていた。

長身で堂々とした男は、冷峻な顔立ちに感情を少しも滲ませていない。対する女は清らかで気品があり、しなやかな曲線美を描くドレス姿が目を引く。

遠目には、誰もが羨むようなお似合いのカップルに見えた。

だが、一部の人間にとって、その光景はひどく目障りだった。

相沢エリカは胸をざわつかせ、慌てて歩み寄ると、一ノ瀬律の腕にすがりついた。

「私が彼女を呼んだの。だってお父さんの誕生日だもの、お姉ちゃんにもお祝いしてほしくて」

エリカはいつものように小さく微笑み、口元に無防備で愛らしい表情を浮かべる。

一ノ瀬律は...

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