第61章

澄み切った秋晴れの空が広がり、心地よい風が吹き抜けている。

相沢千尋は朝早くからアトリエに足を運び、昨日やり残したデザイン画の仕上げに取り掛かっていた。

こんな穏やかな日に仕事に没頭できることほど、心地よいものはない。

精神を集中させてペンを走らせる。しばらくすると、上品さの中に艶やかな風情を漂わせるチャイナドレスが紙の上に浮かび上がった。

このデザインは、あの豪奢な刺繍が施された花嫁衣裳からインスピレーションを得たものだ。

同じように金糸をあしらい、ベースには最も落ち着きのあるレイクブルーを選んだ。月白の絹糸で可憐な蓮の花々を描き出し、見る者を惹きつけるような一着に仕上がっている...

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