第66章

ドア一枚を隔てたすぐ向こう側。

その場にいた全員が息を呑んで立ち尽くした。耳に届くのは、男の荒々しい息遣いと、それに混じる女の甘くかすかな喘ぎ声だった。

その音を聞いて、相沢エリカは内心でほくそ笑んだ。

周囲の様子を窺うと、皆が顔を見合わせ、目配せをしている。中には意味ありげに眉をひそめ、互いの推測を確かめ合っている者もいた。

ここにいるのは皆、いい大人だ。この生々しい声を聞いて、中で何が行われているか想像がつかない者などいない。ただ、他人の家での出来事ゆえに、誰もあからさまに口には出せないだけだった。

相沢エリカはわざとらしく驚いたふりをし、頬をわずかに染めてみせた。

「これ…...

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