第71章

相沢家の広間。相沢栄介は一人、険しい顔つきでソファに深く腰を下ろしていた。

そこへ、相沢エリカが足音を響かせて入ってくる。

栄介は彼女の姿を認めると、低く沈んだ声で問いかけた。

「一ノ瀬沙織のほうはどう言っている」

エリカは首を横に振った。沙織はただ泣きじゃくるばかりで、まともな判断など何一つ下せない状態だという。

あの両親は昔から強引で、一度理を占めれば決して引き下がらない。相沢家にきっちり落とし前をつけさせようと、執拗に食い下がってきているのだ。

相沢慧子からは、栄介に判断を仰ぐよう言いつけられていた。一体どの部分で、どれほどの補償を差し出すべきか。

栄介は怒りのあまり顔を...

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