第73章

相沢栄介は眉をひそめ、すでに記憶の彼方へ追いやっていた出来事を思い出した。

そのことを考えるだけで、彼の目にはどうしても嫌悪の色が浮かんでしまう。

相沢慧子が意味ありげに口を開いた。

「時期からして、あと一ヶ月もすれば彼が出所してくるわ」

「それがどうした。相沢千尋はもう大人だ。今さらあの二人の間に、何か絆でも残っているとでも言うのか」

相沢栄介は意に介さない様子だ。

「ああいう輩とは、なるべく関わらないに限る」

そこで彼は、相沢慧子の従弟のことも思い出した。

「それとお前の従弟だが、さっさと追い返せ。今後一切の付き合いを禁ずる」

相沢慧子は素直に頷き、相沢栄介の腕にすがり...

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