第84章

薄暗く寂れた田舎道は、雑然と生い茂る草木に押し潰されるようにして、かろうじて細い隙間を残しているだけだった。土には腐葉土の匂いが混じり、その道の突き当たりには、まるで世界から忘れ去られたかのように、小さな小屋がぽつんと建っていた。

ふいにカサカサという微かな音が響き、辺りの静寂を破った。

一ノ瀬律と橘柊一は息を潜め、草木の陰から、道の突き当たりにある小屋を鋭く見据えていた。

「本当にここか?」

橘柊一は少し緊張した面持ちで唾を飲み込み、目の前の荒れ果てた小屋を見やった。

軒先は低く沈み込み、垂れ下がった蜘蛛の巣には埃がびっしりと絡みついている。半開きの扉の奥には、どれほど目を凝らし...

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