第86章

部屋の中はひっそりと静まり返り、見張りの男たちが立てる微かな寝息だけが響いていた。

麻袋の中に閉じ込められた加門彰三は、長いことじっと息を潜めていた。身動き一つとれず、体が痺れきってようやく、ほんの少しだけ身をよじった。

部屋にいる者たちが皆寝入っているのを察し、彼は息を殺した。全身を襲う鈍い痛みのせいで、動くのすら一苦労だ。

そっと袋から顔を出す。真っ暗な室内には、むせ返るような酒の匂いが充満していた。リビングには人影が一つだけあり、テーブルに突っ伏して熟睡している。

彼は物音一つ立てないよう、慎重に麻袋から這い出した。

月明かりに照らされたドアが、わずかに開いているのを見て、彼...

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