第9章

「一ノ瀬社長って、本当に自意識過剰なんですね。まさか、世界中の人間があなたを中心に回っているとでも?」

相沢千尋は、ありったけの嘲笑を込めて一ノ瀬律を一瞥した。

その一言に、その場にいた全員が呆気にとられた。

相沢千尋は一ノ瀬律の顔を見据え、冷たく鼻で笑う。

「一ノ瀬社長の全身で、一番立派なのはその減らず口だけ。そんな男を、一体どこの女が好きになるっていうんです?」

鈴のように澄んだ声で、はっきりと言い放つ。隣にいた神保暁と宇佐美拓海は、面白がるような顔つきで一ノ瀬律を見やり、ついその視線を下へと滑らせてしまった。

一ノ瀬律の顔はどす黒く沈み、二人を鋭く睨みつける。慌てて二人は目...

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