第56章 危険が迫っている

空は岸辺で焦りながら待っていた。林田ナナが寒を連れて岸まで泳いできたのを見ると、すぐにしゃがみ込み、手を伸ばして林田ナナと協力し、寒を池の縁に引き上げた。

「ママ……」空は緊張した様子で言った。「ママ、早く上がって」

「うん……」林田ナナは呼吸を整えながら空に言った。「心肺蘇生法と人工呼吸のやり方を教えたでしょう、空はまだ覚えてる?」

「できるよ!」空は寒を地面に平らに寝かせ、両手を組んで寒の腹部を押し、溜まった水を出そうとした。

水は深すぎて、壁に張り付いていたら上がれない。

林田ナナは手すりのある方向へ泳いでいったが、すでに捻挫していた足首が突然けいれんを起こした。

激痛で顔...

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