第60章 安易に罪を着せてはいけない

佐藤光は寒の目に輝きが戻るのを見て、さらに言葉を重ねた。「じゃあ、ちゃんと休んで、金曜日にナナおばさんと一緒に学校に行こうな」

寒は嬉しそうに頷いた後、ふと何かを思い出したように尋ねた。「パパは、ナナおばさんと……ダンスするの?」

佐藤光は問いかけた。「寒は、パパとナナおばさんがダンスするところが見たいの?」

寒はまた頷いた。

佐藤光は答えた。「約束するよ」

寒の気持ちは一気に明るくなり、小さな手で目をこすり、目尻に溜まっていた涙を拭いて、笑顔を咲かせた。

佐藤光はもう一度尋ねた。「寒、パパが聞くけど、昨日どうして水に落ちたのか、本当に覚えてないの?」

寒は困惑したように瞬きを...

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