第7章 ママ、私が助けに来た

日策グループ。

白石結衣は空ちゃんの手を引きながら受付に立ち、心の中で考え込んでいた。

まさか七歳の子供の言葉を信じるなんて。

白石結衣にはどうしても理解できなかった。林田ナナがなぜ日策商事の社長と何か関係があるというのか。佐藤光についてはほとんど知らないが、日策商事の社長で、億万長者の彼がどうして誘拐犯になりうるのか?

しかし白石結衣の心の中では、空ちゃんは天才だった。

林田ナナと白石結衣が知り合ったのも、実は空ちゃんがきっかけだった。

白石結衣はかつて空ちゃんが通っていた幼稚園の保育士で、行き来するうちに林田ナナと親しくなり、親友となった。

空ち...

ログインして続きを読む