第100章 誰かが私のために出向く必要はない

ほとんどの記者が、古宮桐也の現場に響いた大きすぎも小さすぎもしない声に気圧されていた。古宮家の若様があそこまで言った以上、誰が好き勝手な記事など書けるだろうか。

古宮桐也は傍らの車津に言いつけた。

「お前は残って後始末をしろ」

「ですが、古宮社長……」

「黙れ。お前があと二言三言もぐずぐずしていたら、うちの妻が遠くへ行ってしまう」

そう言い捨てると、長い脚でさっさと外へ向かって歩き出す。下にいた記者たちは、われ先にと道を開けた。

千葉晴美が出ていくと、ちょうど藤本桃子が藤本昌弘に不満をぶつけているところだった。

「ねえ、どうして古宮さんがあんな女と一緒にいられるのよ。ぜんぜん優...

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