第110章 俺ががルールだ

千葉晴美は鼻で笑い、鋭い眼差しで中村美奈を斜めに見据えた。ぱっと見はどこにでもいる普通の女の子――なのに、まとっている気配だけがやけに強い。しかも不自然さがまるでない。

「そう。あたしが多少なりとも身を守れなかったら、今ごろあんたと同じだったかもね」

中村美奈は胸を張って言い返す。

「でしょ? 武術ができるなら、ちゃんと無事じゃない」

「今あたしが無事だからって、あんたが人を使ってあたしを潰そうとした事実が消えるわけじゃない。あたしが運よく、あいつらの手から逃げ切れただけ」

千葉晴美は言葉を切り、冷えた声で続けた。

「一時期とはいえ同じ職場だったんだから、あたしの性格くらい知って...

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