第131章 晴美について

古宮桐也は表情ひとつ変えず、淡々と「……ああ」とだけ返した。冷えた顔つき。近寄るなとでも言わんばかりの、鋭い気配がまとわりついている。

千葉月子はその様子に内心ひるみながらも、千葉晴美が手に入れたいい暮らしを思い出すと、引き下がる気にはなれなかった。周年のパーティーの日、晴美が車を当てた――しかも景品の内容は、桐也がその場で変更したらしい。

周りは知らなくても、彼女にはわかる。あれは桐也が晴美のために、わざわざ変えたのだ。

以前、晴美がわざと地味に装って嫁いできた頃には、桐也がそこまで大事にしているなんて話、聞いたこともない。なのに今は、甘やかし方が行き過ぎるほどだ。結局、あの顔に惚れ...

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