第138章 夫婦そろって人を食う

「俺……」

古宮冬樹は便秘でもしたみたいな顔で口ごもった。言いたくない。まして古宮桐也に頭を下げるなんて、なおさらだ。

だが、謝らなければ株価は底まで落ちる。今年積み上げてきたものが全部パーになる。血反吐を吐く思いで稼いだ金が、千葉晴美のたった一本の電話で――消し飛ぶのだ。

古宮冬樹は逡巡の末、結局は金に膝を折った。

「認めるよ。前に、兄さんの薬に……手を加えた。危うく立てなくなるところだったのも、俺のせいだ。魔が差したっていうか……頭がどうかしてた。長年の兄弟ってことで、一度だけ許してくれないか」

古宮桐也は眉間に皺を寄せ、複雑な目で冬樹を見た。謝罪そのものが意外なのではない。冬...

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