第142章 傲慢極まりない

千葉晴美は古宮桐也が怖いわけじゃない。ただ、無駄な火種を起こしたくないだけだ。

とはいえ、道義的にどうかと問われれば、彼女のほうが分が悪い。途中で人の案件を横取りし、さらに相手より先に契約まで取りつけようとしているのだから。

それはつまり、古宮桐也の威光に真っ向から唾を吐く行為に等しい。

けれど、もうここまで来た。引き返す道なんてない。千葉晴美は細かいことを考えるのをやめた。

まずは案件を取る。それだけだ。たとえ古宮桐也が気づいたとしても、誰がやったかまでは辿れない――そう踏んでいた。

翌朝。千葉晴美はまだ薄暗いうちに家を出て、まず賀川令たちと合流した。

彼女の顔を見た賀川令が、...

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