第147章 旨い汁は他人に吸わせない

「よくも言えるわね。誰がキスしろって言ったのよ」

千葉晴美は苛立ちを隠しもせず、濡れた唇を指先でこすった。舌の先までじん、と痺れている気がする。

「これからまた『奥さん替えろ』なんて言ったら、またキスする。おまえが二度と言わなくなるまでな」

古宮桐也が千葉晴美に、こんなふうに断固とした口調で言うのは初めてだった。

千葉晴美は一瞬、慣れないものをぶつけられたみたいに固まった。いつもなら口が勝手に回るのに、頭の中が真っ白で言葉が出てこない。けれど負けず嫌いが、黙っていることを許さない。

最後に、絞り出すように吐き捨てる。

「……あんた、ゴロツキ!」

「そのゴロツキがおまえの旦那だろ...

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